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Intel 90nm Pentium 4 Prescottリリース
Intelは、これまでPrescottと呼ばれていた90nmプロセス製造によるPentium 4プロセッサを投入すると発表した。90nm製造のPentium 4には2.8GHzから3.4GHzが用意され、1MB L2キャッシュを実装、13の新命令をサポートする。このうち3.2GHzまでの製品は直ちに出荷されるが、3.4GHzはQ1後半の登場になるという。また、Intelでは3.40GHzのNorthwoodとPentium 4 Extreme Editionも発表、既に出荷中としている。 Intel(R) Pentium(R) 4 Prescott's die by courtesy of Intel Prescottコアは、歪シリコン技術や新素材のLow-k絶縁材料を用いた90nmプロセスで、300mmウェハーを使用して製造される。機能の追加や拡張によってトランジスタ数はNorthwoodの5,500万から1億2,500万個に増加するものの、ダイサイズが136sqmmから112sqmmに小型化されることで製造コストは下がる見込みだ。 Prescottでは動作クロックを上げ続けるため、パイプラインが大幅に拡張された。パイプラインを拡張し、各ステージを単純化することは一般にクロックを上げ易くすると言われるが、同時に分岐予測ミスペナルティやレイテンシの増加を招く恐れもある。高クロック化を重視し2004年中の4GHz製品投入を目指すPrescottでは、これらのペナルティを軽減し、IPCを向上させるための多数の新機能などが実装されているという。主な改良点は次のようになる。
tecChannelのレビューによれば、SYSmark2004の総合スコアにおいて、3.2EGHz Prescottは3.2GHz Northwoodを2.7%ほど上回る結果であったようだ。SYSmark2004ではHTとSSE2の効果がスコアに反映されるため、HT周りが強化されたPrescottがテスト全体でNorthwoodを上回ったと見られている。スコアの差はOffice Productivityで大きく、3.2EGHzはNorthwoodの3.4GHzを2ポイント上回ったとされる。 一方、キャッシュ性能だけを見ると、PrescottはL2の大容量化によって大サイズのデータへのアクセス効率は向上しているものの、レイテンシが以前の7クロックから18クロックサイクルまで増加したためにピーク性能が低下している。32-bit転送時のキャッシュ性能は、3.2GHz Northwoodが最高13,875MB/secだったのに対し、3.2EGHz Prescottでは10,842MB/secと、Athlon 64 3400+の6割強ほどになったという。ただし、128-bit転送はNorthwoodと同等の性能のようで、L2転送速度も480ポイント差の25,154MB/secであったようだ。 このほか、AES暗号化といったテストにおいては、Prescottの31段パイプラインが足かせになることがあると言われている。AESではメモリやキャッシュ性能の影響が小さいようで、全体としてIPCの高いAthlon製品が高い性能を発揮している。このテストでは、3.2EGHz Prescottは同クロックのNorthwoodを8%下回るスコアだったようだ。なお、ベンチマークは875PとデュアルDDR400、及びK8T800とDDR400環境で実行されている。以下はスコアの一部。
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