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IBM 90nm PowerPC製造にSOI, 歪シリコン技術を使用
IBMは、90nmプロセス世代のPowerPC 970FXを、SOIと歪シリコン (Strained Silicon) 及び銅配線を組み合わせた新技術を用いて製造することを明らかにした。SOIは基盤となるシリコンを絶縁層の上に形成する技術で、容量成分やチャネルリーク電流などを低減できるもの。歪シリコンは、トランジスタ直下のシリコンを歪ませることで電子の移動速度が向上することを利用して、性能を向上させる技術。これらのうち、歪シリコンと銅配線はIntelも採用しているが、さらにSOIを組み合わせて製造する製品はPowerPC 970FXが最初になるという。 PowerPC 970FXは、基本的に130nmプロセスで製造されている既存のPowerPC 970と同等の機能を備え、高クロック化と低消費電力化を両立したチップとなる。資料によれば、2GHz動作時におけるPowerPC 970FXの消費電力は24.5Wとされ、同51WのPowerPC 970 1.8GHzから半分以下にまで引き下げられたという。また、省電力技術のPower-Tune技術を新たに搭載し、マルチプロセッサ環境などにおける動作電圧とクロックの動的な制御がサポートされると見られている。PowerPC 970FXは2GHz以上の製品が登場する見通しで、AppleのXserve G5に搭載されているほか、今後はPowerBookなどへの導入も期待される。チップは直ちに量産が開始される。 IBM website
February 16, 2004 |