The resource for computer news
News Archive
Web News
Column
Drivers
Roadmap
Specs
Poll Results
Links

Advertisement


Advertisement


Since Aug, 18, 2000

Column
ATA/33からのSATA導入 - メイン機をオーバーホールしてみた

Jの暢気なひとりごと

vol.1 ATA/33からのSATA導入



  PCの自作をやっていたりすると、いつのまにかマシンが増えたり、アップグレードの繰り返しで強化した、比較的古いマシンを使い続けることもあるかと思います。皆さんの回りにも、自作機が6-7台あったり、なぜだか19インチラックが見つけられたりするのではないでしょうか。(当然無いことを祈りますが…やっぱりあるのでしょう?)

  台数が増えれば維持費も掛かります。そのうえ手を掛けて組んだマシンとなれば、絶対必要でなくても長生きさせることに…最悪の場合、ある機能に特化したサブマシンが増えるなか、"その他全て"の仕事をこなすメインPCがつぎはぎ状態になるとも考えられます。

  …というか、そうなりました。


  約2年半の間パーツの追加を続けたメインPCはディスク6台で合計容量が60GBという、HDDの大容量低価格化が進むなか驚異的なスペックに。また、使用しているチップセット"ServerWorks LE-III"のサウスブリッジ、"OSB4"はPCIバス接続で、そのIDEコントローラはATA/33のみのサポートです。しかもPCIバスには他に、ビデオカード、Ultra2-SCSI、100Mbps LAN x 2などがぶら下がっていて…つまり、遅い!大体Operaの起動に1分以上かかるのはいただけないしOutlookで本文検索なんかしたらしばらく操作できないじゃないか…そのうえ、熱い!なんで6cmファンが止まったぐらいでMBセンサーのブザーが鳴ったりディスクが挙動不審になったりするんだ…

  これは当然、遅いディスクが大量に入っているせいでしょう。


  というわけで、今回Serial ATAを入れてSCSI撤廃、ATA/33も追い出すことに。買ってきたのはAdaptec SATAconnect 1205SA、Seagate Barracuda 7200.7 120GBです。

SATAconnect 1205SA PCI card  SATAconnect 1205SAは32-bit 33/66MHz PCIに対応、2個のSATA-150ポートを備えます。箱入りで\6,000前後しますが、電源ケーブル2本とSATAケーブル2本、ロープロファイルブラケットが付属するので旧マシンへの増設向きかと。Barracuda 7200.7は80GBプラッタ、8MBキャッシュ搭載です。

  使用中のメイン機はデュアルPentium III-S 1.13GHz搭載、2 x 64-bit 66MHz PCIと4 x 32-bit 33MHz PCIスロットという構成で、AGPはありません。これまではPCIグラフィックスカードとAHA-2930U2及びATA/33 HDDなどが32-bitバス以下に集中していましたが、SATAconnectを64-bitバスに接続(32-bit 66MHzでの使用に) することでバスを分けます。感覚的にはAGPにディスクを繋いだような…となっています。


  で、データのバックアップ後、早速システムを変更。今まで使用していたBarracuda、Barracuda ATA、Barracuda ATA II、Barracuda ATA IIIを外して、Barracuda 7200.7を取り付けます。…決してSeagate贔屓ではないですヨ。

  さて、HDDをSATA接続の1台にしてWindows XPを導入。最初の30GBをプログラム用、残りをデータ用に分けました。新環境の使用感(?)を一言で表すと…まさに3倍!でしょう!

  …いえ、起動時間が3倍ではなくてデスね、快適さ、体感速度が。やはり、ちょっと(?)古いマシンのオーバーホールにはHDDが一番効きます。まあ今回はATA/33からのジャンプアップですが…  使った感じではIBM Deskstar 180GXP搭載機と同じ程度、Barracuda ATA IV搭載機と比べると体感的にも違うと思います。


  そうは言っても他人の体感速度なんかあてになるもんか、という訳で数字です。Sandra 2004のFile system benchmark。以前にデータ用に使用していたうちBarra-ATA II/ATA III (ATA/33に接続,フォーマット済み) と、Barracuda 7200.7 (SATAに接続,下位およそ80GB-データ用部分-で計測)で比べてみました。システムはBarra-ATA ATA/33ディスク上のWin2000、スコアは2回計った平均値です。

 BATA IIBATA IIIB7200.7
Drive Index12737KB/sec14843KB/sec35435KB/sec
Buff. Read21MB/sec25MB/sec88MB/sec
Seq. Read19MB/sec20MB/sec53MB/sec
Rand. Read6MB/sec6MB/sec8MB/sec
Buff. Write27MB/sec27MB/sec87MB/sec
Seq. Write18MB/sec23MB/sec52MB/sec
Rand. Write6MB/sec5MB/sec10MB/sec


  7200.7のスコアが2から3倍ほど、対して旧環境は…どう考えてもOSB4のATA/33コントローラが限界です。さすがにSandra 2004リファレンススコアの、"ATA/100 2.5インチ 4200rpm 2MBディスク: 15410KB/sec"に大負けしていたというのは頂けません。まあ、数世代を超えて比較するほうが酷いんですケド。それでもPollを見る限りだと、ATA/66以下を使用している方もいますし、SATAは思ったよりも普及していないようですね。SATAについてはまだATA-100/133製品との価格差があるので頷けますが…ATA/66以前 (私の周りにかなり居るんですが) の方、HDDの交換だけでもかなりの効果がありますヨ。

  スコアについて言うと、7200.7では計測に最初の30GBを使用していない為、シーケンシャルアクセスのピーク性能はもう少し高い数値になると思います。また、SATAディスクが1台だけなので、PCIバスクロックが66/33MHzのどちらでもスコアは誤差の範囲でしか変わりません。(33MHz時のDrive Index: 35401KB/sec)特殊な部分でバスの棲み分けに関しては、フルロード時にほんの少し効果が現れてくれれば良いと思ってます。効果のほどを見てみたいのはありますが、ベンチマーク測定は難しいので…

  ちなみに、移行前と移行後のシステムで他のベンチマークを取って見たところ…下がってました。以前はWindows 2000、新規に入れたのはXPということでOSとドライバの違いでしょうか、PCMark04ではスコアが2,406から2,387へと微妙にダウンです。中身を見ると、グラマーチェックが大きく下がり、3Dテストのスコアがほんの少し上がってます。3D性能の向上は、同一バス上でのグラフィックスとディスクの取り合いが無くなったせい…なのか?なんにせよ五十歩百歩であり、レンダリングの待ち時間は変わらなそうです。


  さて、こちらのほうが重要だったかも知れない発熱の問題がどうなったかと言うと、かなり期待通りというか、それ以上の効果が現れました。以前は6段の3.5インチシャドウベイにディスクが"密集"しており、起動後のディスク温度 (SMART計測) は既に39度、ちょっと使うと42度、6cmファンが壊れるともれなく警報ブザーが鳴るという始末でした。これらの原因、6台で60GBというディスクを撤去、また7200.7自体は吸気ファンの背後に1台のみ装着することで、起動後温度が31度、ベンチマーク後も35度程度に落ち着きました。

  同時に、システム温度とCPU温度も、最大値がそれぞれ4-6度低下しています。長時間フル稼働時のプロセッサ温度は、以前にはセンサー計測で47度だったところが新環境では41度と、ようやくPIII-Sらしい温度になりました。これで、来年夏にはCPUの熱破壊を心配せずにすみそうですね。(それまでにマシン構成が変わりそうですけど…)


  11月あたりからでしょうか、SATAディスクとATA/100又はATA/133製品の価格差もほとんど見られなくなり、アップグレードとしてのSATA導入にもいい時期だと思います。特に、2年ほど前のマシンを2万円以内でリストアしたいといった時に、SATAへの移行は (体感) 性能的にも良さそうですし、フラットケーブルの排除もできます。あと、耳障りなノイズは確実に減少しますし。この効果には侮れないものがあります。

  上の2個では合計で1万8100円 (11月後半) とお手ごろでした。容量単価は120GB付近が安くなってますが、用途によっては容量を増やしたり、RAID対応カードとHGST 7k250を2個、というのもいい感じです。単体でもパフォーマンスが必要なら7k250にするか、OSの起動高速化に人生の数%を捧げる人には非常に最適なWestern Digitalの新Raptor 74GBも登場してきましたし。…うーん、でも私には買う余裕がないなぁ


_____

あとがき

実は録画用PCにDeskstar 180GXPを使っているんですが、総合性能では7200.7と並ぶようですね。値段についても、同クラスなら一番安いんじゃないかな、というほどで、SATAに深い恨みを抱いており移行したくない場合の選択肢ではかなり上位に来ると思います。

そういえば、自分がSATA製品を揃えている間に、SCSIへと走り去っていく御方が居られましたが…MASAさん、その後は順調ですか??

J, 2003年12月6日,12日公開



© 2002-2003 Septor.net About Septor.net