Alvisoファミリーは、Centrinoの後継となるSonomaモバイルテクノロジを構成するチップセットとして、2004年Q4までに投入される。
Sonomaプラットフォームは省電力機能とワイヤレス対応を強化し、90nmプロセス製造のPentium Mプロセッサ、
Alvisoファミリーチップセット、PRO/Wireless 2100BGの後継製品となるCalexico 2アダプタから構成するもの。Alvisoファミリーには、
グラフィックス統合型のAlviso-GMとAlviso-GML、ディスクリートのAlviso-PMが用意される見通しとなっている。
Alvisoファミリーチップセットは、Intelのモバイル向け製品では初めてPCI ExpressやDDR2メモリをサポートする製品。
チップインターコネクトには帯域幅2GB/secのDirect Media Interface (DMI) を採用し、PCI Express x1やSerial ATA、
ギガビットイーサネットといった広帯域機器を効率よく利用できるようになる。
このうちメインストリーム向け製品にあたるのがAlviso-PM/GMで、主にPentium M搭載システムでの利用が想定される。
これらは低電圧駆動の533MHz/400MHz FSBやDDR2-533メモリ、PCI Express x16グラフィックスインターフェースをサポートし、
性能重視であればデュアルチャネルメモリ構成とすることも可能となるようだ。
また、Intelは省電力及びバリューシステム向けとして、PCI Express x16などを省略したAlviso-GMLを用意
すると見られている。
Alviso-GMの統合グラフィックスは915Gチップセットと同じくExtreme Graphics 3コアとなる見通しで、DirectX 9及びOpenGL 1.4に
対応するもの。Extreme Graphics 3コアは4ピクセルパイプライン構成、メインメモリから最大128MBをグラフィックス用に確保可能で、
Pixel Shader 2.0をサポート。Vertex ShaderはCPUで実行される。また、複数の省電力技術、ディスプレイのバックライト電力を削減する
Display Power Saving Technology 2.0 (DPST) と、コアの動作クロックを切り替えるDual Frequency Graphics Technology (DFGT) を実装する。
Intelによれば、これらの技術によって、Centrinoで5Wほどあったディスプレイの消費電力を3W台に
低減できるという。DPST 2.0では、
周囲の明るさをセンサーで検出してバックライトを自動的に調整することで、消費電力を削減すると共に視認性も向上している。
Alvisoファミリーでは、組み合わせられるI/OコントローラがICH6-Mとなり、モバイル環境でもSerial ATAや
PCI Expressをサポートするものとなった。ICH6-Mは4 PCI Express x1をサポートしており、これは拡張デバイスの接続のほか
ExpressCardスロットやドッキングステーションの接続に使用される見通し。ICH6-Mはまた、4 Serial ATAやHD Audioをサポートする。
Sonomaプラットフォームは、Alvisoファミリーに加えてPentium Mプロセッサ、Calexico 2 Wi-Fiアダプタで構成される。
Pentium MはAlvisoの登場に合わせて533MHz FSB版が投入され、その後もクロックを上げていく見通し。Calexico 2では
802.11a/b/gのトリプルバンドに対応して802.11i用のAESハードウェアエンコーダを搭載するほか、Bluetoothにも対応すると見られている。