AlderwoodとGrantsdaleファミリーは、Pentium 4 Eから採用されるLGA-775をサポートする最初のチップセットとして投入される。 AlderwoodとGrantsdale-P/GはLGA-775版のPentium 4 Eプロセッサとともに2004年3月末に発表される見込みで、後にはバリューシステム向けの Grantsdale-GV/GLが登場する。

  これらのチップセットではPCI Expressやデュアルチャネルメモリアクセスなどがサポートされているほか、(G)MCHとICH間の チップインターコネクトが大幅に強化された。Serial ATAやギガビットイーサネットに加えてPCI Express拡張スロットが登場したことから、 これまでのHub Interface 1.x (266MB/sec) では明らかに帯域幅が不足してしまうが、新たに導入されたDirect Media Interface (DMI) では 各デバイスを十分に活用することができる2GB/secの帯域幅を確保している。

  Grantsdale-P/Gはメインストリーム向けの製品で、Grantsdale-Pがディスクリート、Grantsdale-Gはグラフィックス統合型となる。 これらは800MHz/533MHz FSB、デュアルチャネルDDR2-533 (又はDDR2-667) メモリ、PCI Express x16グラフィックスインターフェースをサポートし、 Grantsdale-GではIntel Extreme Granphics 3コアを内蔵する。これまでのAGPに替わるPCI Express x16グラフィックスは、 片方向4GB/sec、双方向で8GB/secの帯域幅となり、電源は40W以上供給される。なお、このスロットではグラフィックス以外のPCI Expressカードも 利用できる見込み。Extreme Graphics 3は、3DコアにPixel Shaderユニットが実装されて DirectX 9クラスの機能をサポートするものになるほか、新たにデュアルディスプレイ出力をサポートする。

  AlderwoodはGrantsdale-の上位に位置づけられるもので、ハイエンドからユニプロセッサワークステーション向けの製品。 875Pと同様に、メモリアクセスの高速化機能やECCメモリのサポートなどで差別化されるものと見られる。

  一方、バリューシステム向けのGrantsdale-GV/GLは、Grantsdale-Gの一部機能を省略したものとなる。Grantsdale-GVは 外部PCI Express x16をサポートせず、Grantsdale-GLではさらに533MHz FSB、DDR400メモリまでのサポートに限定される。

  I/Oコントローラには、Alderwood及びGrantsdale共通でICH6ファミリーが用いられる。 ICH6ではPCI Express x1 (片方向250MB/sec) を4スロットサポートし、Azaliaと呼ばれていた新オーディオインターフェース、 High Definition Audio (HDA) 仕様にも対応する。HDAでは192kHz 32-bitオーディオ、マルチチャネルソースや 高品質オーディオフォーマットがサポートされ、オンボードコントローラチップによって7.1チャネルサウンドや Dolby Digitalの利用が可能になる。

  ICH6ではまた、Serial ATAのサポート数が4チャネルに増やされている。SATA RAIDも強化されており、RAID 0/1に加えて Matrix RAIDと呼ばれる新方式をサポートする見込みだ。Matrix RAIDは2台のHDDから2組のRAID Arrayボリュームを構築できるもの。 このほか、ICH6ファミリーにはソフトウェアベースのアクセスポイント機能をサポートしたICH6Wが用意される。 ICH6WではRFを搭載するアンテナユニットを接続することで、安価にワイヤレスアクセス機能を提供できると見られている。